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1986年モンテカルロ・ラリー30周年特集 Vol.7

グループBとしては最後のモンテカルロ・ラリーとなった1986年。その歴史的な一戦から30周年となることを記念して、1986年モンテカルロ・ラリー特集を行っています。

7日目は、「1986年モンテカルロ・ラリーの雑誌とDVD」です。

1月23日から24日にかけて行われたファイナルレグは、モナコを2往復するステージでした。

1本目の5つのステージを終えた時点で、トップを行くランチアのH.トイボネンと2位プジョーのT.サロネンの差は37秒。2本目のステージでいよいよ勝者が決まります。

その最初の戦いとなるSS31に向かうロードセクションで、3位につけていたランチアのM.ビアジオンのマシンが電気系統のトラブルが原因でコースアウトしてリタイア。これでランチアはトイボネン1台を残すのみとなってしまいました。

そのSS31はトイボネンがトップタイムをマークし、チュリニ峠を舞台とするSS32もトイボネンがトップ。そして日付が変わり1月24日の0時53分にスタートした22kmのSS33では、トイボネンがサロネンを1分58秒も上回るトップタイムをマークしてサロネンの直後にフィニッシュ。両者の差は3分3秒に広がり、トイボネンが勝負に勝ちました。残る3つのSSはアウディのW.ロールが連取して、6日間・SS総距離881.1kmにわたる長い戦いが終わりました。

今回、1986年モンテカルロ・ラリーを振り返るにあたって資料にしたのが、当時の雑誌とインターネットの[eWRC-results.com]です。

グループBが現役だった当時は当然ながらインターネットはなく、WRCの映像についても、テレビ朝日系列の「CGTV」か、テレビ東京系列の「モータースポーツダイジェスト」、「モーターランド」などでダイジェスト映像を眺めるしかない時代でした。そのため、モータースポーツの結果は雑誌で得るのが普通で、毎回食い入るように読んでいたのを思い出します。

今回改めて雑誌を読み直してみると、経過や結果が詳細に記載されていること、そしてカラーページが少なく、リポートはほぼモノクロページで構成されていることに時代を感じました。

「オートテクニック」は、今はなき山海堂が発行していたモータースポーツ専門誌です。この1986年3月号では「SUPER 4WD?」と題した特集を組み、1986年シーズンを戦うグループBマシンの4WDシステムについて解説。ほかにも、M.ホームズのWRCリポート、「ワルター・ロールのラリーダイアリー」など、興味深い記事が多いのが特長です。

三栄書房が発行するモータースポーツ専門誌の老舗「オートスポーツ」では、1986年3月15日号で1986年モンテカルロ・ラリーをリポート。表紙には、日本の「チーム・マジョルカ」から日産パルサー・エクサで初出場し、35位で完走した藤巻 潤/鶴 一郎組の写真を掲載しています。ビル大友氏の詳細なラリーリポートも読み応えがあります。

国内外のラリーやダートトライアルをメインにした紙面構成により、他のモータースポーツ専門誌とは一線を画していた芸文社時代の「プレイドライブ」。1986年4月号に掲載された1986年モンテカルロ・ラリーのリポートは、上位10台および主要ドライバーのSSごとのタイムを表組で掲載。ライブ感満載のリポートと併せて、ラリーに強い専門誌ならではのこだわりが感じられます。

グループBの迫力を伝えるには、言葉で説明するよりも実際の走りを見るのが一番であることは間違いありません。YouTubeでも色々な映像が見られますが、DVDソフトには永久保存版としての存在価値があります。

さまざまなカテゴリーのモータースポーツビデオをリリースしているDUKEの「MONTE-CARLO RALLY 1986」は、1986年モンテカルロ・ラリーだけで58分の映像を収録。グループBの走りを存分に堪能することができます。

ドイツの「UNIVA MOTORSPORT VIDEO-MAGAZIN」では、1986年のモンテカルロ・ラリーとスウェディッシュ・ラリーを40分あまりにわたって紹介。DUKEのDVDソフトに比べるとボリュームは少ないものの、独自の映像素材もあるので見逃せません。

昔からのファンにはお馴染みのボスコ・モトのラリービデオ。現在は「'86 総集編」のDVDが販売されていますが、以前はVHSビデオで「'86 モンテカルロ」が発売されていました。60分の映像には、トップチームだけでなくプライベーターのグループB車両なども含まれています。いま改めて見てみると、いろいろな発見がありました。


グループBマシンのオールスターたちが激闘を繰り広げた1986年の第54回モンテカルロ・ラリー。30年が経過した今でも記憶に残る歴史的なラリーであり、グループBの集大成的なイベントとして今後も語り継がれていくことでしょう。

●最終結果
1位 H.Toivonen - S.Cresto, Lancia Delta S4 #7
2位 T.Salonen - S.Harjanne, Peugeot 205 Turbo 16 E2 #1
3位 H.Mikkola - A.Hertz, Audi Quattro Sport S1 #6
4位 W.Röhrl - C.Geistdörfer, Audi Quattro Sport S1 #2
5位 J.Kankkunen - J.Piironen, Peugeot 205 Turbo 16 E2 #4
6位 B.Saby - J.F.Fauchille, Peugeot 205 Turbo 16 E2 #8
7位 S.Servià - J.Sabater, Lancia 037 Rally #12
8位 A.Oreille - S.Oreille, Renault 11 Turbo #25 (Group A)
9位 K.Eriksson - P.Diekmann, Volkswagen Golf GTi 16V #22 (Group A)
10位 F.Wittmann - Feltz, Volkswagen Golf GTi 16V #20 (Group A)

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2016年01月24日 18:53に投稿されたエントリーのページです。

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