« 走り初め -2016- | メイン | 1986年モンテカルロ・ラリー30周年特集 Vol.2 »

1986年モンテカルロ・ラリー 30周年特集 Vol.1

WRCにおけるグループB最後の年となった1986年。その開幕戦となったモンテカルロ・ラリーは、1986年1月18日から24日にかけて開催されました。

エントリーリストには、プジョー、アウディ、ランチア、オースティンローバー、シトロエンが名を連ね、フォードを除くグループBの主役たちが一同に集まる歴史的な一戦でした。

グループB史上もっとも豪華な顔ぶれで開催されたモンテカルロ・ラリーからちょうど30周年を迎えたことを記念して、「グループBマニア」では1986年モンテカルロ・ラリー特集を行います。当時のラリーの様子を振り返りながら、1986年モンテカルロ・ラリーのホビーアイテムなどをご紹介していきます。

第一回目は、「シトロエンBX 4TCのベストミニカーを探せ!」です。

1986年のモンテカルロ・ラリーは、まず1月18日の朝にヨーロッパ内のパリ、ハンブルク、バルセロナ、ローザンヌ、モンテカルロ、セストリエーレの6箇所の都市から156台がスタート。翌1月19日朝に集結地点となるフランスのエクスレバンに到着するという伝統のコンサントラシオンで幕を開けました。

そのなかでも異彩を放っていたのが、パリからスタートしたシトロエンBX 4TC。このラリーがデビュー戦とあって注目されました。

そんなシトロエンBX 4TCの1/43ミニカーは、カーNo.15のJ.C. Andruet- A. Peuvergne組のマシンと、カーNo.17のP.Wambergue- J.B.Vieu組のマシンが製品化されています。なかでもNo.15のマシンは、マガジン付きミニカーのAltaya製品として3種類、ixoブランドで1種類がつくられています。そこで、昨年9月2日のブログで予告した通り、その4種類のレビューをお届けします。

こちらの3種類はいずれもマガジン付きミニカーです。中央のDeAGOSTINI「RALLY CAR COLLECTION」が一番最初のモデルで、手前左側の「PASSIONE RALLY」と、同右側の日本版デアゴスティーニ「隔週刊ラリーカーコレクション」は、ともに2015年に発売されたものです。

中央の製品はクリアケース付きですが、ミニカーと台座は同じでアクリルケースがブリスターケースになっている製品も存在します。また、「PASSIONE RALLY」と「隔週刊ラリーカーコレクション」では台座が異なっているのが分かります。

こちらはマガジン付きミニカーのAltaya製品とixo MODELSが自社ブランドで発売した製品の比較です。奥から「PASSIONE RALLY」、「隔週刊ラリーカーコレクション」、ixo製モデルの順に並んでいます。

安価に大量生産されるAltayaとコレクター向け製品のixoでは2倍近い価格差があるため、ixo製品は彩色が細かく、アンテナとワイパー部品が細身になっています。一番の違いは内装で、黒一色のAltayaに対してixoは塗り分けが細かく、スペアタイヤも搭載されています。

正面からの比較ではそれぞれの差異がはっきりします。左から順番に、Altaya製品のDeAGOSTINI「RALLY CAR COLLECTION」、「PASSIONE RALLY」、「隔週刊ラリーカーコレクション」、そしてixo製品の順に並べました。製作年度ではDeAGOSTINI「RALLY CAR COLLECTION」がもっとも古く、次にixo、そして「PASSIONE RALLY」、「隔週刊ラリーカーコレクション」の順番となります。

まず、一番左の初期のAltaya製品にはアンテナがなく、レンズ類の黄色も強めです。また、一番右のixo製品は中央位置で停止していたワイパーとふち取りされたレンズ類、そしてけん引フックの表現が特徴的です。中央右の最新作「隔週刊ラリーカーコレクション」のみルーフのダブルシェブロンの色味が明るいこと、そして中央左の「PASSIONE RALLY」ではシートベルトの再現が特徴的です。

なかでも興味深いのは、「隔週刊ラリーカーコレクション」のみ、バンパー下部のライト装着位置が異なることです。1986年モンテカルロ・ラリーのナイトステージの写真で確認したところ、この取り付け位置が正しいことが分かりました。フロントウィンドウ上部に貼付された "Citroen Competitions" の幅も正確で、「隔週刊ラリーカーコレクション」のリサーチの正確さが伺えます。

同じ並びでリアを比較してみます。右側のixo製品ではけん引フックが再現され、室内にはスペアタイヤが搭載されています。左側3つのAltaya製品はコスト面での制約があるものの、中央左の「PASSIONE RALLY」と同右の「隔週刊ラリーカーコレクション」では、リアフェンダー右側の給油口を再現しているのが高ポイント。さらに「隔週刊ラリーカーコレクション」のみ、ixo製品と同様にテールレンズの塗り分けを実現しています。しかしながら、リアパネル中央のナンバープレートが省略されています。ほかのディテール再現が素晴らしいだけに惜しいところです。

真横からの比較です。上段左がDeAGOSTINI「RALLY CAR COLLECTION」、同右がixo製品、下段左が「PASSIONE RALLY」、同右が「隔週刊ラリーカーコレクション」です。上段左の初期製品以外に装着されるアンテナのうち、「隔週刊ラリーカーコレクション」はixo製品並みの細さを実現。ホイールナットの塗り分けも行われ、ホイールに立体感を与えています。また、リアドア下部に貼付された"Valeo"のステッカーは、「隔週刊ラリーカーコレクション」のみ鮮やかな黄緑色で、これも実車に即しています。

このように検証すると、それぞれの差異が案外大きいことが分かります。出来の良さではixo製品の作り込みに軍配が上がりますが、リサーチの正確さでは「隔週刊ラリーカーコレクション」がベストといえます。2,086円+消費税で購入できるリーズナブルさを考慮すると、1/43 BX 4TCのベストミニカーは「隔週刊ラリーカーコレクション」といえるでしょう。

コメントを投稿

About

2016年01月18日 23:36に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「走り初め -2016-」です。

次の投稿は「1986年モンテカルロ・ラリー30周年特集 Vol.2」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type 3.35